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東谷橋氏のコメントを引用！

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農業改革「韓国に習え」で論争、前農相の真意は？
2016年09月21日 20時11分54秒 | 市場動向チェックメモ

農業改革「韓国に習え」で論争、前農相の真意は？
（1/2ページ）2016/9/21 14:45日本経済新聞　電子版
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　「先行する韓国、遅れる日本」。農業改革をめぐり農林水産省がこんなキャンペーンを始めた。

　環太平洋経済連携協定（ＴＰＰ）を機に農業の体質強化をめざす日本にとって、2012年発効の米韓自由貿易協定（ＦＴＡ）で大胆な構造改革に踏み切った韓国はお手本になるという論理の組み立てだ。もっともＪＡ（農協）グループや一部の農林族議員の間では抵抗感が強く、着地点はなお見通せない。

■随行はＪＡが擁立した議員

森山前農相は独自に韓国農業の実態調査に乗り出した

　農林関係者の間で、森山裕前農相が韓国農業の実態調査のために同国を訪問することが大きな話題となっている。関係者によると、21〜23日に韓国を訪れる。随行するのはＪＡグループが擁立した山田俊男氏、藤木真也両参院議員。山田・藤木両氏は抜本的な農業改革の阻止を強く訴えてきた経緯がある。森山氏は農林族のドンといわれ、影響力は大きい。

　農水省や自民党の小泉進次郎農林部会長は韓国との比較を通じて日本の農業の弱点をあぶり出し、関連業界の再編などの具体策を11月にまとめる方針を示している。第1弾として農水省は今月13日、自民党の農林水産業骨太方針策定プロジェクトチーム（ＰＴ、小泉進次郎委員長）に肥料、農薬など農業資材に関する日本と韓国の比較調査結果を示した。調査結果の肝は「日本の農業は韓国より高コスト体質」と断じた点だ。

　例えば肥料。日本は銘柄数が約2万種に及ぶのに対し、韓国は約5700種しかない。メーカーが多品種・少量生産を続けてきた結果、販売価格は韓国の1.7〜2.1倍にもなる。農薬でも日本はメーカー数が韓国の2.4倍で、販売価格は韓国の最大3.3倍に達する。

　これに対し、訪韓する3氏には韓国の農業が日本とは置かれた状況が違うことを確認し、農水省や小泉氏が進めるコスト削減路線に反証する材料を集める狙いがあるとみられる。森山前農相の訪韓について「新たな抵抗勢力の出現か」との声も漏れる。3氏のうちの1人は最近、使い勝手が悪くほこりをかぶったまま放置されている東アジア製の農機の写真を地元農家から取り寄せたという話もある。

　問題は韓国の農業が参考になるのかどうかだ。農水省は気候や稲作主体の構造が似ている韓国が比較しやすいと説明するが、韓国はオランダのような農業大国ではないのは確か。農林水産業の生産額（名目）は世界22位と日本の世界10位より低いうえ、韓国産の農産物が日本市場を席巻しているわけでもない。

　13日の自民党のＰＴでは「韓国と比べることは適切なのか。日本は資材の質の高さが農産物の輸出につながっている」などとけん制する声が相次いだ。コスト削減によって食の安全性が脅かされると主張する議員もいる。

■肥料・農薬メーカーは供給過剰

　小泉進次郎氏は韓国農業を通して国内農業の弱点をあぶり出す

　だが、コスト削減悪玉論の行く先は現状肯定に落ち着いてしまうのではないか。肥料や農薬、飼料メーカーの供給過剰の状況は、資材の流通をほぼ独占するＪＡグループが長年続けてきた慣行によるところも大きい。

　全国農業協同組合中央会（ＪＡ全中）の奥野長衛会長は一連の改革について「痛みを伴うものだ」と認める。何より「高く資材を売りつけるＪＡなんて要らない」（千葉県の農家）と話す農家が出始めるなか、ＪＡグループと取引先とのなれ合いが農業に良い影響をもたらすはずもない。

　韓国をめぐる一連の論争は国内農業の強化に向けて素通りできないポイントといえる。

http://www.nikkei.com/article/DGXMZO07476240R20C16A9000000/?dg=1