我無ちゃんねる 〜ニュースなび〜

日本郷友連盟 コラム74　より

「原爆を投下するまで日本を降伏させるな」

評論家鳥居民氏は著書である「原爆を投下するまで日本を降伏させるな」で、次のように述べています。
「1945年4月25日、トルーマン大統領は、マンハッタン計画『原爆開発秘密計画』の責任者・スチムソン陸軍長官から、はじめて『原爆』の詳細を知らされる。
このときのトルーマンの認識としては、
�@ソ連は東ヨーロッパ・中国に勢力を拡大する。
戦争終結後、アメリカは世界のリーダーとなるため、原爆こそソ連を震え上がらせる武器となる。
�A原爆を開発するために、20億ドルもの巨額の予算をつぎ込んでいる。この秘密は、議員及び国民に全く知らされていない。
これを使わなければ、『税金の無駄遣い』と言われかねない。
したがって、原爆を実践で使用し、その威力を示すことで『勝利のために、原爆は必要な兵器であること』を認識させなければならない。

そして、トルーマンの思惑は、
�@いつ原爆が完成するか、
�Aいつポツダム会談を開催するか、
�Bいつソ連が対日参戦するか、であり、原爆の完成に合わせてポツダム会談を開催し、会談の席で原爆の完成を関係国に知らせる。
さらに、ソ連が参戦すると日本は降伏するであろうから、ソ連の対日参戦前に、日本に原爆を落とさなければならないと考えた。
そして、ポツダム宣言は、最初の草案を変更し、共同署名国からソ連を削除すること及び第12項にあった「天皇の地位の保証」を削除するとともに、
日本に対する最後通牒を意味する公式の外交文書とはせずに『宣伝文書』のような形で発表し、日本側が「黙殺」しやすいように作為した。
すなわち、原爆を投下するまで、日本を降伏させてはならなかったのです。」

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「原爆を投下するまで日本を降伏させるな」　
【本の内容】
トルーマンはなぜ人口稠密な日本の都市に無警告で2発の原爆を投下したのか。なぜそれは8月6日、9日でなければならなかったのか。
そして戦後、百万のアメリカ兵を救うために原爆を落としたとの虚構が、
あるいは首相鈴木貫太郎はポツダム宣言を黙殺したという伝説が流布されることになったのはなぜなのか。
原爆投下にいたる4つの日付けを手がかりに、トルーマンとその最側近バーンズ国務長官が密かに進めていた計画の核心に大胆な解釈を加え、
真相に迫る。太平洋戦史を一変させる労作。
ポツダム宣言に仕掛られたトリックと「やむなく投下した」の嘘。太平洋戦史を一変させる労作。

鳥居民
一九二九年、東京生まれ。横浜に育つ。日本および中国近現代史研究家。夥しい資料を渉猟し、徹底した調査、考察をもとに独自の史観を展開。著書に、中国の行動原理を解明した古典的名著『毛沢東　五つの戦争』、経済開放への道を予言した『周恩来と毛沢東』、敗戦の年の一年間の動きを重層的に描く『昭和二十年』（第一期全十四巻、既刊十一巻）、開港から関東大震災までの横浜をテーマとした『横浜山手』『横浜富貴楼　お倉』がある。また、二〇〇四年に上梓した『「反日」で生きのびる中国』では、九五年から始まった江沢民国家主席による「愛国主義教育キャンペーン」の狙いを、毛沢東、トウ小平がおこなってきた統治手法に比して考究。反日デモで現実化した恐ろしい事態を正確に予測した。その分析は、日本における対中認識の一つの趨勢をつくった。