我無ちゃんねる 〜ニュースなび〜

イスラエル軍によるガザ地区への地上侵攻が間もなく始まるのでしょうか。大勢の市民が犠牲になることが心配されています。始まったらどうなるのか、以下のポイントを中心に詳しくします。

●地上侵攻…どんな攻撃が？
●“ハマス掃討”でガザ地区の住民は？

■“地上侵攻”間もなく？　海空からの攻撃後に「掃討作戦」か

今、イスラエルの兵士らが、パレスチナ自治区ガザ地区の周辺に集結しています。その北側の場所をイスラエル国防省のトップが訪問しました。

イスラエルのガラント国防相は19日、多くの兵士の前で準備を進めるように指示したうえで、「ガザ地区を間もなく内側から見ることになるだろう」と述べました。この言葉は、“兵士諸君、君らは間もなくガザ地区の中に踏み込むのだ。地上侵攻始める”という意味にもとれます。

さらに同じ日、イスラエルのネタニヤフ首相も「我々は全力で勝利する」と話していました。自らガザ地区との境界付近まで赴いて、兵士の士気を高めようとしていたのです。

こうなってくると、地上侵攻はもう間もなくなのかとも思えてきます。どのような攻撃になるのでしょうか。

今、イスラエルの兵士らが、パレスチナ自治区ガザ地区の周辺に集結しています。その北側の場所をイスラエル国防省のトップが訪問しました。

イスラエルのガラント国防相は19日、多くの兵士の前で準備を進めるように指示したうえで、「ガザ地区を間もなく内側から見ることになるだろう」と述べました。この言葉は、“兵士諸君、君らは間もなくガザ地区の中に踏み込むのだ。地上侵攻始める”という意味にもとれます。

さらに同じ日、イスラエルのネタニヤフ首相も「我々は全力で勝利する」と話していました。自らガザ地区との境界付近まで赴いて、兵士の士気を高めようとしていたのです。

こうなってくると、地上侵攻はもう間もなくなのかとも思えてきます。どのような攻撃になるのでしょうか。

■地下道が張り巡らされ…地上侵攻が“簡単ではない”理由

イスラエル軍の軍事力は、中東の中でも際立っています。陸上部隊の正規軍だけで12万人以上、戦車は2200台保有していると言われています。ただ、この圧倒的な強さをもってしても、ガザ地区への侵攻は簡単ではありません。

●地下トンネル
ガザ地区には、地下トンネルが張り巡らされています。ターゲットであるイスラム組織「ハマス」の幹部らは地下に潜んでいるとみられ、捜索には手間がかかるわけです。

●人質
ガザ地区にとらわれている人質の数は現在、200人以上いるとも言われていますが、居場所ははっきりわかっていません。すると、イスラエル側は空爆をしにくくなります。人間の盾にされてしまう可能性があるのです。

大規模な地上攻撃といっても、イスラエル軍は慎重にならざるを得ず、2、3か月は続くとの見方もあります。

■ガザ地区は今…　イスラエルの壁で外にも出られず

ガザ地区は東京23区の6割ほどの面積で、そこに約230万人が住んでいます。密集しているので、被害が大きくなりやすいのです。パレスチナ保健省によると、これまでに3700人以上が亡くなっているといいます。

アメリカの会社が分析した、最新のガザ地区の様子を捉えた衛星画像があります。学校を捉えたものでは、中庭に仮設の避難所が数多くつくられているように見えます。北部の地域から避難してきた人や、家を破壊された人々がここに身を寄せているのかもしれません。

墓地の様子を捉えたものだという画像もあります。墓とみられる白いものが数多く写っています。そして、ブルドーザーも写っていて、墓地の拡張工事を行っているとみられます。死者の数がすでに、あまりに多くなっています。

こうした状況のなか、実際にイスラエル軍が地上侵攻したらどうなるか考えてみます。

9年前の2014年にイスラエル軍がガザ地区に地上侵攻しました。当時は街が戦場となり、学校や病院が砲撃され数多くの民間人が巻き添えになりました。民間人の死者が急増し、子どもも犠牲になりました。国連によると、この時のパレスチナ側の死者は2251人で、このうち1462人が民間人だったのです。

今回の死者数は、すでに前回を上回っています。この先、さらに大規模に攻撃が行われれば、被害は前回の比ではなくなります。

ガザ地区は山もなく、川もほとんどない平地です。そこへ空爆が続き、戦車で街が破壊されれば、街は瓦礫の山になる可能性があります。人々は退避しようにも、周りにはイスラエルとの壁があり、ガザ地区内から逃げられずその中をさまようしかありません。

■焦点・ラファ検問所　“支援物資を搬入”合意も…

ガザ地区の北部から南部に数十万人が退避したといいます。ただ、今深刻なのは、すでに10日以上ガザ地区への物資の搬入が止まっていて、水や燃料、薬などが底をついてきていることです。

その物資をどう届けるかについて今、焦点になっているのがエジプトと接するラファの検問所です。

17日、ラファ検問所のエジプト側には、物資を積んだトラックが列をなしていました。イスラエルが封鎖し通行できずにいるのです。

このうち、最大20台のトラックで支援物資を搬入することまでは合意されており、20日にも実現する見通しでしたが、日本時間午後4時現在、まだ始まっていません。また、ガザ地区から外に避難したい人の通過が認められる見通しも立っていないです。

■ハマス“民政”担う側面も　侵攻後は誰が統治を…

そして、もうひとつ大事なのは、地上侵攻してその後どうするのかという問題です。東京大学中東地域研究センターの鈴木啓之特任准教授に聞きました。

ハマスは軍事組織との印象がありますが、実はガザ地区内で市役所業務を自らやり、日本で言う放課後の学童保育の活動、病院の運営、福祉活動もやっています。

医師や学校の教師ともネットワークを持っているといいます。こうした市民サービス含めて、ガザ地区を統治しているのがハマスです。

イスラエル側はハマスの弱体化を狙っているわけですが、その後に誰がガザ地区の住民をまとめていくのかという大きな問題が出てきます。ガザ地区の市民の将来もまったく見えない状態だといいます。

鈴木特任教授は、イスラエルはガザ地区への人道支援までは認めて、その後にガザ地区への侵攻をきっとやるだろう、時間の問題だろうと話しています。

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力付くでは解決できません。攻撃をやるだけやって、でもその後にこの土地を誰が治めるのか、市民はどうやって暮らしていけるのか、そこまで考えなくてはいけない問題です。
（2023年10月20日放送「news every.」より）