我無ちゃんねる 〜ニュースなび〜

수저계급론【スジョゲグムノン】

「수저【スジョ】（スプーン／匙）」「계급론【ケグムノン】（階級論）」なんですが、『スプーン階級論』とは訳さずに、私はあえて『匙階級論』と訳したいと思います。
具体的に言うと、『親の財産がいくらあるか』がメインなんですが、そこから「その親の財産によってその子供たちはどのような状況に置かれるか」までを指しています。

生まれた子供は親の財産（←これを匙に置き換えている）によって人生が左右される

これがこの『匙階級論』の根本的な考え方です。
このように親の財産によって子供たちが『金・銀・銅・土の匙』に分けられています。

「あいつはお金持ちだから。」のような感じで、「あいつは金の匙（持たされて生まれたやつ）だから。」という使われ方をします。

こわっ・・・・。

※為替は現在1000ウォンが940円ぐらいですから、「0」を一つ減らすをだいたいの感じがつかめるはずです。
○　『金の匙（금수저）【クムスジョ】』
SNS上の基準　；　資産20億ウォン又は世帯での年収2億ウォン

実際のケースも紹介されてます。
・28歳の男性
職場　；　行政考査　財経職　準備中　←公務員試験の一種
居住地　；　ソウルソチョ区100坪型台の一戸建て（30億ウォン台）　
　　　　　　　　　　　↑
　　　　　　　　　　お金持ちが多いと言われる地域
両親の職業　；　父親（中小企業の代表及び顧問）
資産　；　本人名義の会社の株式10億ウォン台
本人の一か月の生活費　；　約300万ウォン
普段好んで着る服装　；　メーカーは面倒なので、上からジャンパー（250万ウォン）、デニムシャツ（200万ウォン台）、ボトムス（200万ウォン台）、スニーカー（190万ウォン台）

○　『銀の匙（은수저）【ウンスジョ】』
SNS上の基準　；　資産10億ウォン又は世帯での年収8，000万ウォン

実際のケース
・29歳の男性
職場　；　大企業の2年目の社員　←大企業ってのがミソ。
居住地　；　ソウルピョンチャン洞80坪台の（高級）アパート（18億ウォン台）　
　　　　　　　　　　　　↑
　　　　　　　　ソウルのこの地域のことはよく知りません。
　　　　　　　　私が住んでるところで例えてくれたら一発でわかるんですけど。
両親の職業　；　父親（中小企業の専務）
資産　；　本人名義のファンド・貯金2億ウォン台
本人の一ヶ月の生活費　；　約200万ウォン
普段好んで着る服装　；　ジャケット（130万ウォン）、シャツ（48万ウォン台）、カード財布（60万ウォン）←これは服装というかアイテムでしょ。

○　『胴の匙（동수저）【トンスジョ】』
SNS上の基準　；　資産5億ウォン又は世帯での年収5,500万ウォン

実際のケース
・20歳の男性
職場（学校）　；　（4年制）大学英語教育科2年生在学中
居住地　；　ソウルソンドン区7坪台のワンルーム（家賃月55万ウォン）←一人暮らしのようです。　
　　　　　　　　　　　　↑
　　　　　　　　この地域のこともよく知りません。
両親の職業　；　両親（自営業）
資産　；　無し
本人の一ヶ月の生活費　；　40〜50万ウォン
普段好んで着る服装　；　ジャケット（10万ウォン台）、ジーンズ（6万ウォン台）、スニーカー（10万ウォン台）

○　『土の匙（흙수저）【フクスジョ】』
SNS上の基準　；　資産5000万ウォン未満又は世帯での年収2000万ウォン未満

実際のケース
・28歳の男性
職場　；　9級・7級公務員試験準備生　
居住地　；　釜山ヨンサン洞の多世帯住宅　約40�u（12坪・前税2500万ウォン台）
　　　　　　　　　　　　↑　　　↑これはヴィラやアパートなどをイメージすればいいと思います。　
　　　　　　　　　　　　↑
　　　　　　　　この地域のこともよく知りません。
両親の職業　；　母親（療養保護士）←日本でいう介護福祉士に近い職業のようです。
資産　；　無し
本人の一ヶ月の生活費　；　40万ウォン
普段好んで着る服装　；　ジャージ上下（10万ウォン）、時計と財布（10万ウォン）

　　　　
日本にいた頃はただ単に若かったからか、人の親の資産や職業、家に関して全く興味がありませんでした。
今もほとんどありませんけど、こちらにいるとそういう話に触れる機会が本当に山ほどあります。
おかげで、ソウルはわかりませんが、テジョンなら居住地域、親の職業や配偶者の職業、その人の持ち物で「その人はどういう環境で暮らしているか」というのが見えるようになってきました。

自分でも恐ろしい・・・・・。

あっ、韓国人限定でですよ。

上記の『匙階級論』を見て、『土の匙』はおそらく「両親が離婚」して母親と一緒に暮らしているんでしょう。
離婚でないなら「死別」ですが、28歳の若者の親ですから「離婚」でしょう。
ご主人様の知り合いを見ても、幼い頃に経済的に苦しい生活をしていた人は半数以上離婚しています。
ものすごい割合なんですよ。
私は韓国は結構おかたくて、保守的で、「離婚なんて家族・一族の恥だ！」なんて考えてそうなイメージを持っていたんですが、全くそうではなく、思った以上に離婚率は高いです。

『胴の匙』はおそらく「一般人」と言われてだいたい想像できる範囲の人の家庭です。
親の家がどんな家なのか記載されていないので他の3つの比較しにくいですが、親の職業は自営業となっていますね。
会社員ではないので昇進・昇給がなく、収入も安定していないことと否定的に考えるとキリがありません。
おそらく多くはないが一定の収入があって、その子どもの大学生が一人暮らしをしていて毎月の生活費が50万ウォン程度だったら普通でしょう。
少なくとも私が大学院に通っていた時にいた周りの大学生はこんな環境でしたよ。
国立の学校だったから特にこういうのが目立って見えたのかな？
私立だったらまた違ったかもしれません。

『銀の匙』になると桁が違います。
家の広さ、親の収入、生活費、持ち物すべてに銅・土とは差があります。
それに親が中小企業ででも専務を勤めるぐらいですからきっといい学校も出ているでしょう。
教育を受ける上では全くお金に苦労しなかったタイプではないでしょうか。
だからそれなりのスペックもあるし、大企業にも就職できたのではないかと・・・。

『金の匙』もボンボンですね。
親の会社が大企業じゃなくて中小企業で例えられているということは、「金より上がある」ということを表しています。

『匙階級論』を述べる時に基本として出てくるのは『金・銀・銅・土』の4つですが、実はもっと細かいのがあるのはあるんです。
『プラチナ・ダイアモンド・金・銀・銅・黄銅・プラスチック・土』
大企業の幹部などを親に持つとプラチナやダイヤモンドになります。

で、これだけ階級に分けてみるのはいいんですけど、結局何がしたいんでしょうね？
自分よりいい匙を持っている人がうらやましくなって「世の中不公平だ！」「貧乏人は何しても報われない。」なんて結論に至るんでしょうかね？

あまりいい話ではないんですが、こちらにいてちょっと苦労している人たちが将来の話などをしているのを聞くと、「国が悪い。」「国は何もしてくれない。」とか「お金持ちだけが幸せに暮らせる国だ。」なんて話をよくする傾向にあります。

えっ？また人（／国）のせいですか？


平和に暮らしている何の能力も無い私がえらそうなことは言えない立場ですがですが、ここでちょっと義父の話を。

義父は昔は超貧乏で田舎暮らしをしていました。
家は貧乏で食べ物にも困る生活に嫌気が差し、小学校を卒業してすぐに家を飛び出して親戚のおじさんが住んでいる大田にやってきました。
その時にスプーン一つと行きのバス代だけを手に持っていたと聞いた事があります。
大田にやってきた義父は、親戚のおじさんから死に物狂いで技術を学び、当時韓国最年少の19歳で韓国の技能オリンピック（木型）で金メダルを獲得しました。
本来ならその前の大会でも優勝できたそうなんですが、「若すぎる」と理由で優勝させてもらえなかったという逸話まであります。
いわゆる「ハングリー精神」で頂点に立ったすごい人です。

今時「ハングリー精神」なんて古臭くてだめなんでしょうか？
精神論は古いと言われますが、希望を持たないと成功はつかめないと思います。

韓国の若者は日本以上にキツイ部分が多いように見えますが、それでも希望を捨てずに生きていってほしいです。
http://blogs.yahoo.co.jp/aein810/65516753.html