我無ちゃんねる 〜ニュースなび〜

大韓航空＆韓国鉄道公社がトラブルだらけ！
労使バトルが安全を損ねる。


ジャーナリスト室谷 克実(むろたに かつみ)氏が
ウェブサイトZAKZAKに掲載しているコラム「新・悪韓論」からの記事です。


大韓航空−。例の「ナッツ姫事件」から、
同社を中核とする財閥「韓進（ハンジン）グループ」の趙亮鎬（チョ・ヤンホ）会長の
電撃的な平昌（ピョンチャン）冬季五輪組織委員会会長辞任、

そして、羽田空港でのエンジン出火事故（5月27日）と、
次から次へ“良くない話題”が尽きない会社だ。


日本では報道されなかったが、
今年3月、283人を乗せた国際線の大韓機が離陸直
後、ランディングギア部分の異常で引き返すトラブルがあった。

整備士が「ケンチャナヨ（＝気にしない）」対応で、
前輪を固定する安全ピンの除去を行わなかったという。

パイロット組合は同年1月、「年俸5000万ウォン（約470万円）アップ」という
要求を出し、サボタージュ闘争を継続中だ。

これに関連するパイロットのフェイスブックに、
前出の趙会長が「操縦士は飛ぶか飛ばないかを決めればいいだけなのに
業務の何が大変だと言うのか」とコメントして大騒動になった。

パイロット組合は同年5月、侮辱罪と名誉毀損（きそん）容疑で
会長を告訴するというドタバタも展開されている。


ちなみに趙会長は、2015年上半期だけで、
大赤字の大韓航空から16億5126万ウォン（約1億5400万円）の
役員報酬を受け取っている。


大韓航空の16年1−3月期決算は、乗客の大幅増にもかかわらず
売上高（2兆8670億ウォン＝約2670億円）は横ばいだった。

燃料代の下落に助けられ、
過去最大の営業利益（3233億ウォン＝約300億円）を上げた。


だが、営業外損失を含めると、最終損益は1749億ウォン（約163億円）の
赤字だった。

そうした環境だからこそ、
冒頭の羽田空港での事故を取り上げた東亜日報（5月30日）の
「大惨事寸前だったのに、お互いに批判ばかりしている大韓航空の労使」
という、長い見出しの社説に注目せざるを得ない。


その社説にこんな記述がある。

「この2年間、大韓航空の航空機はエンジン欠陥で5回も離陸中止や不時着となった。

昨年の国政監査では、
大韓航空の整備予算が12年の9427億ウォン（約880億円）から、
14年は8334億ウォン（約777億円）へと1100億ウォン（約102億円）近く減少したうえ、
運航件数当たりの整備時間も同期間8・3％も減少したという指摘が出てきた」

「大韓航空は、今回の事故が会社内の騒然とした雰囲気と
無縁ではないという認識を持たなければならない」


そういえば、コレイル（韓国鉄道公社）も職場が荒廃している。
労使対立は相変わらずだ。


聯合ニュース（5月26日、韓国語サイト）によると、
10年から15年上半期までに76人が業務前の飲酒で摘発されたが、
けん責より重い処分は17人だけだったという。


5月25日には、高速鉄道（ＫＴＸ）の脱線事故があった。
地震が起きたわけでもないのに、徐行運転中のＫＴＸの前から
2両目の車両の前輪がポイントで脱線するという不思議な事故だ。


「1つの重大事故の背後には29の軽微な事故があり、
その背景には300の異常が存在する」という
ハインリッヒの法則が頭をよぎる。
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20160602/frn1606021140002-n1.htm